研究室について


▼M1学生による石原一彰研究室の紹介

石原研紹介2023年度
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石原研紹介2022年度
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石原研紹介2021年度
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石原研紹介2020年度
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石原研紹介2019年度
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▼名古屋大学・研究室図鑑・石原一彰研究室

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研究室図鑑・石原一彰研究室
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▼注目の大学研究室(Technologist's magazine, pp. 14–15, Vol. 4, 21st October 2016) アクセスランキング第1位(2016年11月5日〜)

▼日刊工業新聞「キラリ研究開発」

日刊工業新聞 『キラリ研究開発:第161回「酸と塩基でつくる高機能触媒研究開発」が掲載されました。
前編(1月12日13面):触媒とは?
中編(1月19日24面):有機合成とは?
後編(2月2日23面):テーラーメイド触媒&セレンディピティとは?
ここで連載が終わってしまうのがとても残念ですが、もしあるとしたら、酸塩基複合化学と触媒設計、そして具体的な研究開発についての紹介になろうかと思います。

名古屋大学工学研究科「研究室図鑑」発刊

石原研の研究室紹介ビデオが公開

【石原研の研究室紹介ビデオ以前はリクルートの「スタディサプリ(放課後版)」>「学問研究ツアー」から観ることができましたが、2016年7月末で契約満了となったため、現在は石原研究室のFacebook Pageから観ることができます(https://www.facebook.com/kishiharalab/videos/1748632905395583/。大学受験生向けですが、大学生や大学院生でも見応えがある内容になっています。石原教授のセミナーと実験室紹介という構成になっていま す。研究室で何をしているのか興味のある方必見です!
ご覧頂くにはID登録が必要ですが無料です。この受験サプリはかなり充実したサイトで非常に工夫されています。是非ご覧ください。
セミナーが少し長めですので途中で飽きてしまったら、後半の実験室紹介だけでも御覧ください。有機合成化学実験のイメージがよくわかると思います。

名古屋大学・工学研究科紹介ビデオが公開(2019)

【触媒ってなに?】(石原研関連ビデオ)In 「名古屋大学・工学研究科紹介ビデオ」

▼中・高生向け工学ガイド 名古屋大学・工学研究科紹介ビデオ(part 2)「大学で何するの?(名大・工学部)」がYouTubuに公開(2020)

ヨウ素触媒を用いる過酸化水素の分解反応(石原研関連ビデオ)10:40–11:55

▼研究紹介動画「ヨウ素を遷移金属や重金属の代替元素に用いる高機能グリーン触媒の開発」

(テクノフェア名大2020、2020年10月17日(土)配信)

▼研究紹介動画「触媒の匠工房 地球に優しいい高機能触媒の開発

(テクノフェア名大2022、2022年10月15日(土)配信)

▼講座研究概要

完全反応を目指して重要医薬品を高純度かつ低コストで大量供給できる合成プ ロセスが、医学、薬学の世界で切実に求められています。当研究室では、周期表にある元素の特徴を活用して、どのような反応基質に対しても例外なく高い収率 、高い選択性を与えるような、完全反応の実現を目指しています。現在は特に、 比較的安価 な典型金属(アルミニウム、ボラン)を中心としたルイス酸触媒を用 いる不斉合成、立体、位置、官能基選択的反応、および高分子合成、天然物合成 に重点をおいて研究開発を行っています。将来的には、薬物効果の分子レベルにおけるメカニズムの解明、あるいはコンビナトリアルライブラリーを用いる効率的な、薬物の発見、触媒の創製なども行っていこうと考えています。

 

 


▼研究テーマ

●生理活性物質の新規合成法の開発

●新規生理活性物質の構造と機能の相関関係の解析

●新しい生理機能を持つ低分子化合物の設計

●酵素類似機能を持つ低分子物質のモレキュラーデザイン

●生理活性物質の構造と機能の相関のデータベース化

●バイオミメティックケミストリー

●ドラッグデザイン

 

 


▼最近の研究

触媒のスリム化は触媒量の削減に直結する。当研究室では、環境に優しい生体酵素反応に着目し、1万を優に超える分子量からなる酵素タンパクゆえの「環境低負荷条件での高度な触媒機能」を小分子レベルで再現し、それを凌駕する反応プロセスの実現を目指している。小分子の中に酵素類似機能を組み込むために、触媒内に酸と塩基を効果的に配置し、非結合性の化学的相互作用(水素結合、親水力、疎水力、双極子相互作用、π-π電子相互作用など)を巧みに生み出すことが出来れば、酵素レベルの触媒機能制御も可能のはずである。我々は触媒回転効率の向上、原子効率(生成物/原料)の向上、E-ファクター(廃棄物/原料)の低減、毒性化合物削減などの問題に取り組み、真に有効な酸・塩基複合型小分子人工酵素を幾つか開発した。以下、代表的な研究成果を6つ紹介する。

 


1. Bronsted酸-Lewis塩基複合型脱水縮合触媒

 

カルボン酸とアルコールの等モル混合物からの脱水縮合触媒として、嵩高い弱塩基性ジアリールアミンと嵩高い弱酸性アレンスルホン酸の有機塩触媒を開発した。本触媒の特長は活性中心のNH2+が3つの嵩高いアリール基によって疎水的な環境内に存在していることであり、その疎水力によって脱水縮合反応が効果的に促進する。従って、副生する水による加水分解は起きない。C6F5SO3Hのような弱酸性スルホン酸との塩はCF3SO3Hのような超強酸との塩よりも疎水的であるため、より高い触媒活性を示す。比較的反応性の高い基質間のエステル縮合反応においては無溶媒、室温の条件でも1 mol%の触媒存在下でエステルと水に変換される。樹脂担持型触媒の開発にも成功し、回収・再利用も実現。触媒設計の鍵は触媒自身の疎水効果であり、この原理は酵素の働きと同じであるが、数百の分子量の触媒で達成出来た点が注目に値する。

K. Ishihara, S. Nakagawa, A. Sakakura, J. Am. Chem. Soc, 127, 4168 (2005).

 

2. Bronsted酸-Lewis塩基複合型Beckmann転位触媒

 

ラクタムは相当するオキシムのBeckmann転位により工業的に製造される。が大量に副生する。我々は発煙硫酸に代わる触媒として三塩化シアヌリルが極めて有効であることを見つけた。これは世界初のBeckmann転位の有機触媒である。三塩化シアヌリルはオキシム水酸基の脱離を促す。その際、生じる塩酸は助触媒として働く。三塩化シアヌリルと塩化亜鉛を一緒に触媒として用いると更に触媒活性は向上する。例えば、ナイロン12の原料であるラウリルラクタムを0.5 mol%の三塩化シアヌリルと1 mol%の塩化亜鉛を用いて>99%の収率で合成した。


Y. Furuya, K. Ishihara, H. Yamamoto, J. Am. Chem. Soc., 127, 11240 (2005).

 

3. Bronsted酸-Lewis酸複合型人工ポリエン環化酵素

 

ポリエン環化反応は一挙に複数の炭素?炭素結合を立体選択的に導入できるため、多環状テルペノイド類の合成の切り札である。我々は1994年に光学活性ビナフトール(Bronsted酸)とSnCl4(Lewis酸)の配位錯体がシリルエノールエーテルの不斉プロトン化剤となることを報告。これを足がかりに、キラルBronsted酸を人工環化酵素としてエナンチオ選択的ポリエン環化反応に世界で初めて成功。2004年には5員環キレート型キラルBronsted酸を開発し、ゲラニルゲラニルフェノール誘導体から一挙に(-)-taondiol誘導体を90% eeで合成することに成功した。

 

H. Ishibashi, K. Ishihara, H. Yamamoto, J. Am. Chem. Soc., 126, 11122 (2004).

 

4. Bronsted酸-Lewis塩基複合型不斉アシル化触媒

 

我々はアシル化酵素の活性中心がヒスチジン残基のイミダゾールであることに着目し、p(Me)-L-ヒスチジノールのアミノ基を嵩高いスルホニルアミノ基に、ヒドロキシ基を嵩高いシリルオキシ基に変換した。こうして出来た分子量660のキラル酸塩基触媒はラセミアルコールとカルボン酸無水物とのアシル化反応による速度論的光学分割に極めて有効であり、その反応速度比[S(kfast/kslow)]は最高132に達した。一つのキラル炭素しか持たない単純な小分子触媒にもかかわらず、Miller (米国)のペプチド触媒を越えるS(kfast/kslow)値を示した。成功の鍵は塩基触媒内のスルホニルアミノ基上の酸性プロトンが基質の一方の鏡像異性体と選択的に水素結合を生じることにある。ペプチド由来の微弱酸性アミドプロトン一つではこの分子認識を実現できない。また、ポリスチレン樹脂担持型触媒の開発にも成功し、回収・再利用も実現。

K. Ishihara, Y. Kosugi, M. Akakura, J. Am. Chem. Soc., 126, 12212 (2004).

 

5. Bronsted酸-Lewis塩基複合型不斉Diels-Alder触媒

 

我々はα-アシロキシアクロレインとジエンの触媒的エナンチオ選択的Diels-Alder反応の開発に初めて成功した。光学活性ジペプチドの還元体であるトリアミンとC6F5SO3Hの有機塩を不斉触媒として用いた。??アシロキシアクロレインはα-ブロモアクロレインの合成等価体として有用であり、本触媒を用いてプロスタグランジンの鍵合成中間体を合成した。触媒設計の鍵は1級アミンの有機塩を触媒として用いた点にある。MacMillan(米国)の2級アンモニウム塩触媒の基質適用範囲が??無置換型アクロレインに限られるのとは対照的である。

 

K. Ishihara, K. Nakano, J. Am. Chem. Soc., 127, 10504 (2005); corrections: 127, 13079 (2005).

 

6. Lewis酸-Lewis塩基複合型不斉シアノ化触媒

 

光学活性シアノヒドリンは医農薬品の重要な中間体である。我々は、アルデヒド類の不斉シアノ化触媒として、光学活性ビナフトールと水酸化リチウムより調製されるリチウムビナフトラート・アクア錯体を開発した。本触媒はリチウムカチオンとビナフトラートアニオンをそれぞれLewis酸及びLewis塩基とする複合触媒であり、その単純な小分子設計にもかかわらず高エナンチオ選択性を発現する。酵素同様、リチウムカチオン近傍の水の水素結合が反応の遷移状態に重要な役割を果たす。


M. Hatano, T. Ikeno, T. Miyamoto, K. Ishihara, J. Am. Chem. Soc., 127, 10776 (2005).

 

Recruit

ポスドク及び大学院生を募集中です。

当研究室では学部生、大学院生の研究室見学を随時受け付けております。

希望者は、石原教授までメールでお問い合わせ下さい。

 

Postdoctoral and graduate students is being recruited.In our laboratory will be accepted at any time undergraduate, graduate student visits to laboratories.Those who wish, please contact us by e-mail to Professor Ishihara.

Access

ISHIHARA GROUP

国立大学法人 東海国立大学機構

名古屋大学

大学院工学研究科 有機・高分子化学専攻(工学部 化学生命工学科)
有機化学講座

触媒有機合成学研究グループ

〒464-8603 名古屋市千種区不老町

B2-3(611)

 

Laboratory of Catalysis in Organic Synthesis, Research Group of Molecular Chemistry, Graduate Department of Molecular and Macromolecular Chemistry, Graduate School of Engineering (Undergraduate Department of Chemistry and Biotechnology, School of Engineering), Nagoya University

Tokai National Higher Education and Research System

B2-3(611), Furo-cho, Chikusa, Nagoya 464-8603, Japan